182
20171215
カメラ散歩 明治の建物を訪ねて
“明治の建物”を探しに上野不忍池近く「旧岩崎庭園」にシェアバイク(借り自転車)を走らせてきました。
ここの洋館は財閥岩崎家の迎賓館として明治29年(1896) 三代目岩崎久弥によってジョサイア・コンドル*1の設計で建てられたもので、関東大震災にも耐え、東京大空襲も免れた木造建築で今も健在です。
182-1 旧岩崎邸洋館“重要文化財”
内外装とも全体のスタイルや装飾は英国17世紀のジャコビアン様式*2を基調に、
イギリス・ルネサンス様式やイスラム風なモチーフなど取り入れた重厚なものです。
東側のサンルームは後年(1910年頃)の増築。
182-2洋館ベランダ
南面のベランダはコロニアル様式*3で、岩崎久弥の留学先であったペンシルベニアのカントリー・ハウスのイメージをジョサイア・コンドルが取り入れたと思われます。
182-3洋館室内
オーク材を多用、重厚な装飾とデザインです。
1階には岩崎久弥が用いた書斎、客室、大食堂などがあり、2階には内向きの客室や集会室などがあります。
182-4撞球室“重要文化財”
木造によるゴシック様式*4のビリヤード室。
校倉造*5の外観はスイスの山小屋風で竣工は明治29年(1896)頃。
*1ジョサイア・コンドル;ロンドン出身の建築家
明治政府のお雇い外国人として来日 後に工部大学校(現 東京大学工学部建築科)の教授になり日本人建築家を育成、明治以後の日本建築界の基礎を築いた。
鹿鳴館、ニコライ堂、三菱一号館 二号館 三号館など手掛けた。
*2ジャコビアン様式
イギリスのジェームズ1世(1603~25)の時代の建築・工芸の様式。
*3コロニアル様式
植民地時代、植民地で「自分たちのための」建築様式
特にコンドルが好んだイギリス式はアメリカ
ニューイングランドを中心に多く造られた。
*4ゴシック様式
建築分野では12世紀の北西ヨーロッパに出現し、15世紀まで続いた建築様式。
*5校倉造(あぜくらつくり)
断面が三角形となる横材を井籠 (せいろう) 組に積上げて壁体とした校倉風の建築様式。
横材の稜角部が外壁に,平面部が内壁になり,したがって壁体の木口は鋸歯状になる。日本では奈良時代から平安時代初期にかけて,国府,寺院の倉の様式として各地に建築されたが
それ以後は例が少ない。
山ケン
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